瞬間接着剤には粘度の異なるものが市販されています。木工には中〜高粘度品が良いとされていますが、それは低粘度ではすぐにしみ込んでしまい、接着力が出ないからです。
ところが、私はむしろ、このしみ込む性質が気に入り、低粘度品をよく使用します。板のはがれや欠けを補修するのに便利だからです。ただ、瞬間接着剤がしみ込んだ部分は他の部分と異質であるため、塗装ムラの原因になりやすく、それが悩みのタネになっています。
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まず、瞬間接着剤は水分がないと硬化しない接着剤だということを記憶して下さい。
人間の皮膚のように水分を多く含む物質の場合には、文字通り瞬間的に硬化し接着します。
プラスチックのように水分を含まない材料の場合には空気中の水分を吸収して比較的ゆっくりと硬化します。プラスチックのすき間などに多量の接着剤を流し込んだ場合などには、水分の吸収に時間がかかるため、硬化に一晩かかることもあります。
早く硬化させたい場合には、接着箇所を濡れタオルで覆うか、息を吹きかけるとうまくいくことがあります。息の中には水分が多く含まれているからです。
このようなわけで、エポキシ接着剤のようにほぼ温度だけで硬化時間が決まる接着剤とは異なり、瞬間接着剤の硬化時間は状況により大きく変化します。
次に注意すべきことは、相対湿度50%以下の乾燥した雰囲気では接着剤蒸気に多少の刺激性があります。多量に使用することになるので風どうしのいい場所で作業して下さい。また、早く硬化させるために息を吹きかける場合などには、その場で息を吸い込まないことが大切です。
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