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接着剤
Written by Masaaki Takenaka
Uploaded on 29 Mar. 2007

木工用ボンド

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ボンドを塗布して貼り合わせ、すぐにクランプなどで圧締めすると、位置がズレます。
これには困ります。
私は、10分程度(季節により変わりますが)放置してから圧締めします。すると、たいていはズレませんが、ときたまズレることもあります。
すぐに圧締めしたい場合には、ズレないようにはたがねなどで前後を押さえてから圧締めするといいでしょう。

正確には「酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤」です。
板を接着するのに通常はこれを使います。
固形分(酢酸ビニル樹脂)の微粒子が水中に浮遊しているわけで、一般にこのようなものをエマルジョンと呼びます。牛乳は代表的なエマルジョンです。

私がHCで買うのはアイカ工業の A-1400 です。
左の写真のように容器が汚れていますが、3kg入りの詰め替え用を買ってきて、左のような容器5本に繰り返し詰め替えるためです。
固形分は42%ですので、乾燥すると大幅に収縮します。

スピーカ自作の本には、はみ出した接着剤はぬれぞうきんで拭き取りなさい、と書いてあります。
で、私もそれをやっていました。
素手でやっていました。
他の人も素手のようです
最近、ひどい手荒れに悩まされ、今日初めて、接着剤が原因ではないか、と考えました。
ネットで調べたところpH=4 というデーターを見つけました。かなりの酸性です。手荒れの原因はpHと接着剤中に多量に含まれている界面活性剤の相乗作用ではないかと思います。
必ずビニル手袋などの保護手袋を着用すべきです。

私もうかつでした。

瞬間接着剤

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瞬間接着剤には粘度の異なるものが市販されています。木工には中〜高粘度品が良いとされていますが、それは低粘度ではすぐにしみ込んでしまい、接着力が出ないからです。
ところが、私はむしろ、このしみ込む性質が気に入り、低粘度品をよく使用します。板のはがれや欠けを補修するのに便利だからです。ただ、瞬間接着剤がしみ込んだ部分は他の部分と異質であるため、塗装ムラの原因になりやすく、それが悩みのタネになっています。


まず、瞬間接着剤は水分がないと硬化しない接着剤だということを記憶して下さい。
人間の皮膚のように水分を多く含む物質の場合には、文字通り瞬間的に硬化し接着します。
プラスチックのように水分を含まない材料の場合には空気中の水分を吸収して比較的ゆっくりと硬化します。プラスチックのすき間などに多量の接着剤を流し込んだ場合などには、水分の吸収に時間がかかるため、硬化に一晩かかることもあります。
早く硬化させたい場合には、接着箇所を濡れタオルで覆うか、息を吹きかけるとうまくいくことがあります。息の中には水分が多く含まれているからです。
このようなわけで、エポキシ接着剤のようにほぼ温度だけで硬化時間が決まる接着剤とは異なり、瞬間接着剤の硬化時間は状況により大きく変化します。
次に注意すべきことは、相対湿度50%以下の乾燥した雰囲気では接着剤蒸気に多少の刺激性があります。多量に使用することになるので風どうしのいい場所で作業して下さい。また、早く硬化させるために息を吹きかける場合などには、その場で息を吸い込まないことが大切です。
エポキシ接着剤

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エポキシ接着剤としては短時間で硬化するものは使いにくく、左の写真のコニシ・ボンドEセット(10時間硬化タイプ)を愛用しています。
エポキシは低温では硬化が非常に遅いのが難点で、冬は別のグレードの方が良いかもしれません。
最近では、エポキシは鬼目ナットを打ち込む際に使うだけです。


充填用ペースト

大きな隙間などを埋めるための充填剤を自分で調合することができます。
木材の切削時に出る木粉を集め、ふるいにかけて比較的細かいものを保存しておきます。
この木粉と接着剤を混合すれば立派な充填剤になります。
接着剤と木粉を半々程度、へらなどで混ぜ合わせてペースト状にします。

接着剤として木工用ボンドとエポキシのどちらも使用できますが、それぞれ特徴があります。
木工用ボンドの場合、大きな穴などに多量に充填しますと、完全に硬化するのに非常に時間がかかること、水分の蒸発により収縮すること、などが欠点です。安価なことが長所でしょうか。
エポキシは、硬化までの時間が使用量に無関係で予測可能なこと、収縮がないこと、塩ビなど木材以外の材料にも使用可能なことなどが特徴です。高価なことが短所です。





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