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サイクロン集塵装置の自作
Written by Masaaki Takenaka
Uploaded on 22 Mar. 2007
ネット上の木工関連HPには集塵に関する様々な工夫が紹介されていますが、中でも私が注目したのはサイクロン集塵装置です。詳細は omo-bana.をご覧下さい。
空調ダクトの既製品でφ200×100の異径継ぎ手を利用する方法は秀逸で、真似をさせてもらいました。
ヤフーオークションに、空調ダクト用レジュ-サ-(200-100)という品名で1個 2,370 円で常時出品されています。
duct

サイクロン集塵装置の重要な要素の一つはブロアーです。風量と風圧が不十分だとダストの分離能力が低下します。かといって、あまり高価なものでは市販の強力な集塵機が買えてしまいます。

ブロアーの比較
メーカー/型番リョービ
BL-350
マキタ
UB1100
中国製ブロアー(株)佐藤工業所
120SR-100
電圧100100100100
入力 w630600370115
回転数 rpm16,000--2,820
静圧 max 5.5 KPa5.5 KPa400 mm/Aq 0.332 KPa
静圧 max  atm0.0550.0550.0400.00332
風量 m3/min3.52.82.37.2
重量  kg 1.71.7-3.6
実売価格 円4,9807,450 1,600 19,950

最初は、ともかく風量の大きなもの、ということで探し回った結果見つけたのが佐藤工業所のブロアーです。形が大きくて重く、力がありそうですが、ちょっと高価です。ところが上表のように性能を比較してみると、入力がやたら低いことが目立ちます。風圧(静圧)が低いためで、こういうブロアーは集塵には向かないことが勉強しているうちにわかってきました。
それで、HCで販売されているブロアーに注目しました。2千円から数千円と手頃な価格です。
リョービのBL-350がコスト・パフォーマンスに優れています。価格はジョイフル本田でのものです。
blower

以下に、実際の製作手順などをご紹介します。
dustcollector1.gif サイクロンのインレットの加工です。丸いダクトだと工作が難しいので。四角い断面の筒を合板の接着で作り、サイクロンの外形に合わせて切断しました。筒の内部は40mm角、合板の厚さは12mmです。
サイクロンはブリキ製ですので比較的簡単に穴を開けることができますが、切り落とさずに、写真のように観音開きにしてエポキシでインレットと接着します。
dustcollector2.gif インレットがきれいに接着されました。塩ビ管(VP75)と接合すると大きな隙間ができますので適当なシーラントなどで埋めます。私はエポキシと木粉を混合したペーストを使いました。
アウトレットを挿入するための上蓋が見えています。アウトレットとしては塩ビ管VU100を直管部分の下端から2cm上まで挿入しました。
dustcollector3.gif サイクロン本体の全景です。壁に取り付けるための金具が付いています。
dustcollector4.gif 集塵装置が完成しました。
ブロアーの吸入口のグリッドは圧力損失をもたらしますので、金ノコの歯を使って慎重に切り落としました。塩ビ・インクリーザー100/50 でアウトレットとブロアーの吸入口をつなぎます。多少の隙間はビニルテープを巻いて調節します。ブロアーのスイッチはヒモで縛って常時 on にしておき、実際の on/off のためのスイッチを別に設けました。

吐出側は屋外に導きます。吐出側にフイルターを設置する人がいますが、フイルターは使用中に目詰まりを起こして大きな圧力損失が生じ、風量が激減しますので、このように屋外に排出すべきです。サイクロンで捕捉できない微細なダストはそのまま排出されることになりますが、目に見えないので問題はないでしょう。ジーゼル車とくらべれば可愛いものです。ただ騒音がすごいので、気になる場合は対策が必要です。私の家は隣家から離れているため騒音の問題はありません。消音法としては、車のマフラーの構造が参考になるでしょう。

木工機械からサイクロンに導くダクトの太さは、多くのサイトでVU100を推奨されていますが、私は大いに迷った末、VU75を使用することにしました。これで、かなりのコスト削減になります。ダクト内での圧力損失が気になるところですが、結果的には正解だったようです。全長5m程度と短いためかもしれません。吸入口は2カ所で、使用しない吸入口にはフタをします。
捕集されたダストを受け入れる箱は12リットルのパッキン付き密閉容器です。750円でした。透明なので中の様子が見えて便利です。

完成した集塵装置の能力は十分満足できるものでした。ただ、室内の騒音は相当なもので、使用しないときはすぐにスイッチを切ることにしています。
dustcollector5.gif よく使用する吸入口です。VP65を使用していますが、フレキシブル・ホースにぴったりの外径です。
dustcollector6.gif 別の吸入口で、フタがしてあります。
dustcollector7.gif バッフル穴を切削中ですが、この場合の捕集はあまりうまくいきません。それでも、人体に有害な微細なダストは吸入してくれるだろう、と楽観していますが。



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