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木口の処理
Written by Masaaki Takenaka
Uploaded on 28 Mar. 2007

欠陥の補修

kiguchi2 ラワン合板には多くの欠陥があり、左の写真のように木口の穴として現れます。
これを埋めないとひどく感じの悪い仕上がりになります。
埋めるには、通常は、細い木に木工用ボンドを付けて打ち込みます。無理に深く打ち込む必要はありません。余った部分はカッターナイフで切り落とします。
細い木として、私はツマヨウジをよく利用しますが、幅の広い穴を埋めるには、あらかじめ準備しておいた木片を使います。

木口のカット

kiguchi5 どんなに正確に板をカットしても、木口を完全に同一面にそろえるのはほとんど不可能です。
それで、左の写真のように少しはみ出すように板取をするわけですが、はみ出た部分をどうするか、それが大問題です。
ヤスリで削るのは大変ですし、うまくいかないでしょう。
  
kiguchi5 私は、左図のようにトリマー(またはルーター)に目地払ビットを付けてカットしています。
目地払ビットは長さが10mmのものはHCでも手に入るかもしれませんが、なるべく長いものが便利です。
例えば、目地払DX12×12 または 目地払ビットロング25 6×10×25 トリマー用 などがあります。
コロが付いているのが特徴です。
ある程度ビットを使用するとコロが動かなくなります。コロは消耗品で、道具道楽では単品で販売しています。   
kiguchi3
最近は、左の写真のように組み立てが終わったキャビネットを長さ30mmの目地払ビットを付けたルーター・テーブルに載せてカットします。粉塵はほとんど発生しませんし、安全性と能率が改善されました。

この方法で未解決の問題点は、天板と底板のコロと接触する部分の表面が荒れることです。どなたか、良い解決法があればご教示下さい。   
kiguchi4 以前は、左のようにトリマーを使っていましたが、ものすごい粉塵に悩まされました。
厚さ30mmの板を処理する場合には2回に分けてカットすることが必要でした。
kiguchi7 一般にルーターやトリマーを使って木口のカットをする場合、コーナー部分などで多少の凹凸が残りますので、それを左の手工具で削ります。
これをヤスリと呼ぶのでしょうか。金ノコの歯を束ねたようなもので、切削力は普通のヤスリよりはるかに優れています。

エッジの面取り

kiguchi6 エッジを丸めたい、ということがスピーカー作りでは頻繁に起きますが、ヤスリでゴリゴリでは大変ですし、きれいに仕上がりません。
左のような面取り用のビットを付けたトリマーやルーターで加工すればアッという間に完了です。
各種の面取り用ビットが市販されています。

木口の小さな穴や凹凸を目立たなくする方法

接着剤の項で説明した充填用ペーストを使います。
木粉と木工用ボンドを混合したペーストを、へらなどを使って木口に塗り込みます。
その後、硬化しないうちうに、濡れぞうきんで拭き取ります。
拭き取りの際、手荒れを防ぐために、保護手袋の着用をお忘れなく。


木口が凹んでしまった場合のごまかし方

kiguchi8 木口がはみ出すような寸法にカットしても、組み立て時に思うようにいかず、凹んでしまう場合があります。
その時どうごまかすかというと、上述のペーストを利用するわけです。
木粉と木工用ボンドを混合したペーストを左図のように、収縮を考慮して、余分に盛りつけます。十分に乾燥してから目地払ビットを使って余分な部分をカットします。
こうして平らにすることはできますが、ペーストを使った部分の色や質感が合板とはだいぶ違いますので、できれば濃いめの塗装をして目立たなくします。

kiguchi9 凹みが大きい場合、ペースト法ではうまくいきません。
その場合は、木片をボンドで接着し、はみ出した部分を目地払ビットを使ってカットします。木目の方向が揃っていれば、この方が仕上がりはきれいです。





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