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研磨と塗装
Written by Masaaki Takenaka
Uploaded on 25 Apr. 2007
Updated on 6 Feb. 2008

私の方法がほぼ確立

polish1
塗装は私にとって鬼門で、失敗の連続でした。着色すると必ずムラになるわけです。
それで、たいていは着色せずに透明ニスの塗布だけで済ませることにしていました。
今も完全に解決できたわけではありませんが、それなりに良い結果が出せるようになってきたので、その手順を上に示しました。
この手順はラワン合板だけでなくMDFでも有効なことを確認しました(下の写真)。

木工の最終段階で、木口のはみ出した部分をカットし、エッジを丸めるなどにより外形を整えた後、いよいよ研磨と塗装に入るわけですが、 最初にすることは目止めなわけです。
砥の粉をすり込むのが目止めの常識ですが、私はそれをやめました。代わりに木工用ボンドをキャビネットの表面全体に塗り込みます。
ボンドの適量を絞り出し、たっぷりと水を含んだ濡れぞうきんで均等にすり込むわけです。木口には特に念入りに、水とボンドをしみ込ませます。
ラワン合板で、木口に小さな穴が多数ある場合、ボンドと木粉の混合ペーストをすり込んで穴を埋めます。

一晩乾燥させてから、サンダー(#180)を使って研磨します。

(08年2月6日追加)
もう一度濡れぞうきんを使ってボンドをすり込みます。
乾燥後、サンダー(#320)により研磨します。
この2回目のボンドすり込みを省略すると木口の塗装がきれいにいきません。
このように2回のボンドすり込みではまだ完全ではありません。時間があれば、もう一回やりたい所です。
この方法では、合板、MDF共に研磨後に水性着色剤での着色は可能です。

次に水性着色剤をウエスに含ませて塗布します。
HCで売っているのはほとんどが油性着色剤(オイル・ステイン)で、水性着色剤は置いてあっても種類が非常に少ないのは残念なことです。
着色ニスは使いません。
水性着色剤を塗布するのはサンダーがけの後でなければなりません。
(ボンドが表面にあると水性着色剤はムラになります)
水性着色剤のメーカーによっても色調・色ムラに差が出ます。
ワシンの木部着色剤、ポアーステイン(顔料系)マホガニーブラウンにより良い結果が得られました。
これはいつも行くジョイフル本田にはなくて、カインズホームで購入しました。

最後に、自家調合のシェラック・ニスをウエスを使って塗布し、仕上げます。
代わりに水性透明ニスを使うこともできます。

シェラックについてはこちらを参照してください。
キガタドットコム
シェラック仕上げ(改訂版)

溶剤としてアルコールを使います。
最も望ましいのは無水エタノールです。薬局で入手可能ですが、500ml入り1本が1400円ほどと、あまりにも高価です。
それで、安く上げるにはどうすれば良いか、ということになるわけですが、消毒用エタノールは水を含んでいるため使えません。
方法は二つです。
(1) 工業用アルコール(変成エタノール、あるいはミックスエタノールとも呼びます):メタノールなどを混ぜて酒税対象から外れるようにしたもので、有毒です。数軒の塗料屋さんに電話して、1軒だけ取り寄せ可能という返事でした。4リットル入りで、500ml換算で約350円です。

(2) 燃料用アルコール: 主成分はメタノールです。コーヒーのサイホンに使うそうで、大きな薬局で入手可能で、500ml入りで約300円です。毒性が強いので換気に十分な注意が必要です。
polish2 MDFで作ったキャビネットの研磨が終わったところです。ボンドを塗り込んだおかげで木口も緻密に仕上がりました。
polish3 塗装が完了しました。ちょっと見ただけではMDFとはわかりません。一応合格といったレベルです(少し甘すぎるかも)。
polish4 塗装に使用するハケですが、それなりに値段が高いし、毛が抜けてくることもあり、使いにくいです。
それで、私はタンポンを自作します。左の写真のように、着色剤用とシェラック用の2個です。
板をこすりますので、外側の布が弱いと使用中に破れます。
着古したズボンの布が最適です。それなりに柔軟で緻密で丈夫です。
中に入れる布は着古した木綿の下着が最適です。
使い終われば捨てます。





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